【Jリーグ】名波浩が語る「不振のジュビロへ、切なる願い」

  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

フロンターレ戦では、右サイドバックの駒野友一が何度かチャンスを作ったが......。フロンターレ戦では、右サイドバックの駒野友一が何度かチャンスを作ったが......。 リーグ3分の1を消化した時点で、17位と低迷しているジュビロ磐田。第12節でも川崎フロンターレと対戦し、2-4で敗れた。今季初勝利を飾った第8節の湘南ベルマーレ戦以来、再び勝ち星から遠ざかっている。

 この日は、ゲームの入り方に差があった。フロンターレのほうが前への意識が高く、風間八宏監督が「強気でいった」と言うとおり、アグレッシブな仕掛けを見せた。

 ジュビロは、それに対して受け身になったわけではないのだが、全体的にアプローチが遅く、フロンターレにテンポのいいショートパスで展開された。ボールホルダーに対しても、飛び込むか、いややめよう、といった曖昧な対応をして、開始早々に小林悠のスーパーゴールを食らってしまった。前節の柏レイソル戦(0対1で敗戦)でもそうだったが、相手にいいシュートを決められてしまうのは、チーム状態が悪いときの典型と言えるだろう。

 ただ、いきなりゴールを決められることはよくあっても、開始6分で2発というのは、やり過ぎだ。2点目は、フロンターレのFW小林悠が中央でくさびのボールを受けてターン。左サイドでフリーのレナトにボールを回されて失点した。問題は、小林を簡単にターンさせたこと、そしてターンした小林を誰も潰せなかったこと。それほど、立ち上がりのジュビロのアプローチは甘かった。

 その序盤を除けば、全体的な守備のバランスは悪くなかった。田中裕人と小林裕紀のボランチふたりも、うまくポジションを取っていたと思う。後半はフロンターレのほうがズルズルとラインが下がっていたけれども、ジュビロは終始高い位置を保っていた。唯一、違いがあったとすれば、ゴール前でどちらのほうが体を張っていたか、というところ。その点では、フロンターレのほうが勝っていたように感じる。5月に負けていないチームとの勢いの差が、そんなところにも表れていたのかもしれない。

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