【Jリーグ】名波浩が指摘する、最下位ジュビロの問題点

  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

サンフレッチェに敗れて、がっくりと肩を落とすジュビロイレブン。サンフレッチェに敗れて、がっくりと肩を落とすジュビロイレブン。 Jリーグ第7節、ジュビロ磐田がサンフレッチェ広島に0-2で敗れた。これで磐田は、開幕7戦勝ち星なしというクラブワースト記録を更新。およそ3年ぶりに最下位に転落した。

 開幕から勝利に見放された厳しい状況の中、磐田の選手たちには「何とかしたい」という気持ちはあったと思う。しかしこの日は、相手が悪かった。昨季のJ王者で、試合巧者の広島。時間の使い方に優れ、カウンターの仕掛け方に長けている相手に、うまいことゲームを運ばれてしまった。

 その点では、磐田の運のなさを感じるが、90分間を通して、その戦いぶりからは躍動感が伝わってこなかった。ボールを持っている時間、攻めている時間は磐田のほうが長かったと思うが、前への推進力に勢いが感じられなかった。

 昨季は、攻撃力が武器だった。高い得点力で勝利を重ねて、序盤戦は上位争いを演じた。そうした中で、失点の多い守備をどう改善していくのかが課題となっていたのだが、今季は一転、点が取れない。それが、低迷の原因であることは間違いない。

 なにしろ、昨季は取れていた点が取れないことで、選手たちはかなりのストレスを感じてプレイしている。7試合で6得点(リーグワースト2位。昨季は10得点)という数字が示すとおり、点が入らない時間帯が長過ぎて、選手たちのストレスは溜まる一方。その状況に守備陣も耐え切れずに失点し、試合を落としている。

 この試合でも、GK川口能活が相手選手にボールをフィードしてしまうミスから失点したが、川口のあんなプレイは初めて見たし、とても川口が冒すようなミスではなかった。そういうことが起こりえるほど、今はチームのリズムが悪く、攻撃面でストレスを溜め込んでいることで、全体がうまく機能していない。

 現状を打破するには、さらに前への意識を持つことだろう。2トップの前田遼一と金園英学を孤立させないように、2列目の選手がもう少し近くで絡んでいかなければいけない。

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