【なでしこ】フル代表デビューした田中陽子に立ちはだかる「壁」

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

国内合宿の紅白戦などでボランチとして出場した田中陽子国内合宿の紅白戦などでボランチとして出場した田中陽子  2月の大分合宿で新たなスタートを切ったなでしこジャパンは、3月6日からポルトガルで開催されるアルガルベカップ出場を前に5日間の国内合宿を行なった。

 大分合宿で"なでしこジャパン"として招集された選手に加え(上尾野辺めぐみはケガで招集は見送られた)、なでしこチャレンジ及びU-19代表から11名がポルトガル行きの切符を手にした。

 その中のひとりが昨年のFIFA U-20女子ワールドカップで活躍した田中陽子。なでしこジャパンのロンドン五輪銀メダル獲得の余韻の中、ホーム開催となった大舞台で、ヤングなでしこの選手たちは躍動し、銅メダルを獲得した。

 ヤングなでしこの中心選手だった田中は、両足から繰り出される鮮やかなFKで一気に注目を浴びた。だが、これまでのすべての活躍は、あくまでも世代別の大会。ここからは百戦錬磨のフル代表経験者がライバルとなる。トップ下やボランチ、サイドMFと中盤のさまざまなポジションをこなす田中は「積極的にチャレンジしていきたい」と意気込みを語った。

 周囲の期待どおり、田中は初日のミニゲームで、難しいボールに対し即座の判断で蹴り足を変えてゴールを奪うなど、ポテンシャルの高さを見せつけた。しかし、なでしこジャパンのサッカーはそれだけでは成り立たない。日を追うごとに、彼女の前に次々と課題がつきつけられていく。

 最終ラインから「パスを出せるポジションに顔を出して」とアドバイスを受けると、指揮官からも「自分の位置を周囲に伝えるために声を出せ」と指示が飛び、次々に対応をしていく。

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