【日本代表】脱マンネリ。戦力の底上げにつながったラトビア戦での新たな試み

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Fujita Masato,Hayakusa Noriko

後半から途中出場し、積極的にシュートを放った乾後半から途中出場し、積極的にシュートを放った乾 日本代表が2013年初戦を3-0の勝利で飾った。ラトビアを相手にチャンスらしいチャンスを与えず、しかも3ゴールを奪っての快勝である。

「日本のような強い相手とはここ数年対戦していなかったので、我々にとってこの試合は貴重な経験となった」

 試合後、ラトビア代表のスタルコフス監督は、聞いているこちらがくすぐったくなるほどの賛辞を送ってくれたが、それほど日本代表にとっては危なげのない試合だった。

 とはいえ、昨年11月に行なわれたワールドカップブラジル大会最終予選のオマーン戦以来となる、およそ2カ月半ぶりの代表戦。しかも、海外組は2、3日前に帰国したばかりとあって、十分に準備をして臨んだ試合とは言い難い。ザッケローニ監督が「特に前半はサビついているところがあった」と評した通り、細かなミスが少なくなかった。

 だからというわけでもないが、快勝という結果にもそれほど大きな意味はない。むしろ、この試合の価値は別のところにこそあった。すなわち、今までにないほど「テスト的要素が強かった」ということである。

 これまでザッケローニ監督は、ケガや累積警告による出場停止でもない限り、ほとんどの試合でメンバーを固定して戦ってきた。それによってコンビネーションが高まり、チームとしての戦いが熟成されたという面はあるが、その一方でマンネリ感が強くなっていた印象も否めない。

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