【Jリーグ】サンフレッチェ広島、初V!選手たちが語る「優勝できたワケ」 (2ページ目)

  • 原田大輔●文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 今シーズンの広島は、クラブが掲げた「団結」というキャッチフレーズそのものの戦いを見せた。広島の下部組織で育ち、今季でクラブ在籍13年目を迎える森﨑浩司が語る。
「みんなも言っていると思いますけど、(優勝の要因は)"団結力"ですね。とにかく今年のチームは、チームワークが素晴らしくて、試合に出ている選手も、出ていない選手も、練習からしのぎを削って、戦って、切磋琢磨してきた。その結果、若手もレベルアップしてきて、選手層が厚くなったと思います。今日の(セレッソとの)試合も、千葉(和彦)ちゃんやミカ(ミキッチ)が出場停止でしたけど、代わりに出た塩谷(司)がいいプレイをしてくれて、ノリ(石川大徳)はゴールという最高の結果を残してくれた」

 第26節の名古屋グランパス戦で試合終了間際に貴重な決勝点を決めるなど、苦しいときにチームを救ってきた森脇良太も、森﨑浩の言葉に同意する。
「優勝の要因は、まさにチームのキャッチフレーズどおり団結ですよね。それが一番大きい。最後までひとりひとりが人任せにすることなく、役割を全うできたことが結果につながりました」

 新人監督としていきなりJ1優勝を成し遂げた森保監督に、今季チームが成長したところをひとつだけ挙げてほしいと聞くと、こう返ってきた。
「シーズン終盤の攻撃面の成長は頼もしかった。でも、ひとつですよね。ひとつだけ挙げるとするならば、間違いなく精神面ですね。選手たちはこの1年で本当にタフになりました」

 精神面での成長は、シーズンを通して見て取ることができる。広島はチャンピオンチームに相応しく、今季一度も連敗していない。敗れたとしても、次の試合では必ず巻き返し、再び上昇気流に乗った。

 チーム最古参であり、森﨑浩の双子の兄・森﨑和幸が言う。
「チームも、選手個々も、本当にタフになりましたね。今季は勝っても負けても、ぶれずに戦ってきた。勝ったときは必要以上に喜ばなかったし、たとえ負けても極端に落ち込まなかった。そこが、一番成長したところだと思います。それに、精神的にも内容的にも、自分たちのサッカーができたことが優勝という結果につながった」

 弟の森﨑浩が兄の言葉をこうつないだ。
「ウチも仙台も(優勝への)プレッシャーはあったと思います。でも、最終的にウチが勝ったということは、最後に精神的に相手を上回れたということだと思います。優勝争いは苦しかったですけど、これまで、それ以上の苦しみを味わってきた。それこそ、残留争いに比べれば、優勝争いは『楽しい』のひと言ですよ」

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