【Jリーグ】1年でJ1復帰を果たした甲府ファンの意外な心境

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

J2新記録となる20戦無敗でJ1昇格を決めたヴァンフォーレ甲府J2新記録となる20戦無敗でJ1昇格を決めたヴァンフォーレ甲府 まさか、10月中旬で決めてしまうとは、さすがに予想していなかった。

 クラブ史上3度目となるJ1昇格。しかも今回は、クラブ初タイトルとなるJ2優勝というオマケもほぼ手中にしている。いや、オマケどころか、エレベータークラブのヴァンフォーレ甲府にとっては、仮にJ2優勝となれば、これがクラブ初タイトル。J1優勝に匹敵するほどの大きな歴史の1ページとなるはずだ。

 本当に恐縮な話である。我が故郷のスモールクラブが、着々と成長を遂げ、ここまで一人前のクラブになったのだ。いや、1999年のJ2開幕以来、リーグのお荷物とさえ言われてみなさんにご迷惑をおかけしたクラブが、ようやく恩返しをできるようになったと言うべきか。

 とにかく、半分は自慢で、半分は恐縮。それが今の心境である。

 振り返れば、万年J2のヴァンフォーレが初めてJ1昇格を決めた2005年は、リーグ3位でJ1柏レイソルとの入れ替え戦に勝利しての悲願達成だった。その入れ替え戦では、ホームゲームで前代未聞となる試合中の停電があり(第1戦)、アウェーではバレーの1試合6ゴールという大記録もあり(第2戦)、それはそれは決して実力だけでは成し得なかったアンビリーバブルな昇格劇だった。

 そして、2010年はリーグ2位での自動昇格。降格から3年かかって、2度目のJ1昇格を果たし、ひとつだけ階段を上ることに成功した。

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