【日本代表】欧州遠征直前。世界の強豪に対して絶対に必要な守備力とは?

吉田麻也ら、海外で経験を積むDFも増えてきている日本代表 photo by Getty Images吉田麻也ら、海外で経験を積むDFも増えてきている日本代表 photo by Getty Images
福田正博 フォーメーション進化論 vol.26
 ザックジャパンが10月のヨーロッパ遠征でフランス、ブラジルと対戦する(10月12日にフランス代表と、10月16日にブラジル代表と対戦)。これまで対戦してきたのは南米の中堅国やアジアのトップ。また、強豪アルゼンチンとも対戦したが、日本開催の試合だった。

 強豪国を日本に呼ぶ場合は、ほとんどの場合ベストメンバーで来ないし、ベストに近いメンバーであってもコンディションが悪いことが多い。すると、いくら強豪国でもなかなかいい試合ができないものだ。その点、次のフランス戦は相手のホーム、ブラジル戦は第三国開催となる。今の日本代表の力を量るには理想的だろう。

 日本代表にとって、W杯予選などアジアでの戦い方と、世界の強豪との戦い方はやや違ってくる。アジアで戦う時は相手に守備を固められるが、強豪国と対戦するときは、逆に日本が守りを固めなくてはいけないこともある。W杯南ア大会で対戦したオランダ代表のロッベンや、10月に対戦するフランス代表のリベリーと対峙した時に、どう守るか。それを考えなくてはいけない。

 1対1となると、これはどうしても選手の個の能力の問題が出てきてしまう。世界トップレベルのアタッカーに仕掛けられたら、なかなかひとりで対応しきれるものではない。だからこそ、カバーリングが重要になるのであり、数的優位をつくるための運動量、さらには守備の連動が不可欠になる。

 守る側としては、まず中央が一番危険なゾーン。その一番危険なところをおさえるのが守備の基本となる。中央突破に関しては、守備側がスペースを埋めて狭くしていれば、相手がほんの数センチ、トラップミスしただけで、DFが寄せてボールを奪うことができる。ただ、中央に人数をかけてスペースを狭くすると、どうしてもサイドが空いてくる。そうなったら、相手はサイドから崩してくる。そのバランスを見きわめて守らなくてはいけない。

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