【ヤングなでしこ】初の4強進出。メダル獲得へのキープレイヤーは?

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

2ゴールを決め、ベスト4進出の立役者になった柴田華絵2ゴールを決め、ベスト4進出の立役者になった柴田華絵
 FIFA U-20女子W杯準々決勝で日本が韓国を3-1で下し、初の準決勝へ駒を進めた。

 いきなりの打ち合いから入った前半。日本は西川明花のスルーパスに「行けると思った」と柴田華絵が反応、飛び出すGKよりも一瞬早くボールを蹴り込んでゴール。開始8分の先制弾だった。

 欲しかった先制点をモノにするも、その7分後、日本はイ・グミンに右サイドをえぐられ、中への折り返しをチョン・ウナに頭で決められ同点にされる。最も警戒していた形での失点であり、危険人物であるチョン・ウナをフリーにさせてしまったシーンは、今後の戦いで二度と繰り返してはならない教訓になるはずだ。

 韓国の同点弾も素早かったが、日本の勝ち越し弾も同様に素早かった。4分後、右サイドの田中美南からのパスを中央で受けた柴田が、再び強烈なシュートを放つ。無回転でブレ球気味の軌道を描いたボールは左ポストを直撃した後、威力そのままにゴールネットを揺らした。

「向こうに行きかけた流れを引き戻してくれた」と吉田弘監督も目を細める柴田のゴールで勝ち越すと、37分には田中陽子の4試合連続ゴールで追加点。右サイドバックの高木ひかりがゴールラインぎりぎりのところまで粘って運んだボールを中へ折り返すと、西川が韓国DFを引き連れて潰れながらスルーした先にいた田中陽がフリーで決めた。

「おいしいゴールでした(笑)。ああいうゴールはずっとイメージしていたので、決めることができてよかった」(田中陽)。自分自身での崩しではなかったが、ポジショニングについては、「試合の流れを読む力が上がってきたのかな? 少し自信になった」と納得の様子。チームが待ち望んでいた完璧な崩しからのゴールがようやく生まれた瞬間だった。

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