【なでしこジャパン】 「日本封じ」に対応できず。フランス戦であぶり出された修正すべきポイント

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

フランス戦後半に出場した岩渕真奈。フランスの守備陣に止められるシーンが目立ったフランス戦後半に出場した岩渕真奈。フランスの守備陣に止められるシーンが目立った
 ロンドン五輪前の最後の公式戦は世界ランキング6位のフランスに0-2の完敗という結果に終わった。

 現在のなでしこジャパンのありようがそのまま表われた試合だった。

 前半から押し込まれる苦しい展開。予想していた通り、フランスはスピードある攻撃を仕掛けてきた。しかも単なる放り込み作戦ではない。ワンツーのコンビネーションからサイドをえぐり、絶妙なタイミングで中へ切り返す。

 日本が喫した最初の失点もそんな相手のテンポのいいパス回しからDF裏のスペースを一気に突かれたゴールだった。フランスはDF陣の戻りも早ければ、プレスも効果的。日本は相手のペースから抜け出せないまま試合を進めてしまった。後半29分にはセットプレイから長身CBのルナールにヘディングで決められ2失点目。追いつきたい日本だが、その後は好機らしい好機を生みだせずに勝負が決した。

 まず念頭においておきたいのがチームコンディションの違いである。フランスはそのほとんどをオリンピック・リヨン所属の選手で占めているチーム。つまりコンビネーションや、戦術などは年中強化をしているようなもので、この試合前には選手たちにバカンスが与えられ、リフレッシュをして臨むほどの仕上がり状況にあった。

 対する日本は、フランスに入ってから徐々に負荷をかけたトレーニングを行なってきてはいたが、チームとしてはまだ固まっていない。というのも、佐々木監督がピークを持っていきたいのは8月3日の準々決勝。約2週間も先のことだ。ここでコンディションを上げてしまうことはできない。現地入りしてから本格的な仕上げを施そうとしている日本とフランスとの間には明白な差があったのだ。

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