【Jリーグ】浮上できない理由。ガンバ大阪が抱える二律背反 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Yamazoe Toshio

 G大阪のサッカーは、少なくとも東京戦に限って言うならば、とても17位に低迷するレベルではなかった。明神が、「シーズンの最初は内容もよくなかったが、内容も結果も悪いという時期は過ぎた」と言い、「あとは、どう内容を結果につなげるか」だとするのも、うなずけるところである。

 だからこそ、さじ加減が難しい。

 17節が終了したということは、J1全34節の折り返し地点。遠藤が「まだ(シーズンは)半分ある。下を向いてはいられない」と言えば、明神は「(結果につなげる)手応えはつかんでいる」。ここでうまく内容を結果につなげられれば、上位争いはともかく、中位程度までなら一気に順位を上げることは十分に可能だろう。

 しかし、その一方で、結果を求めるあまりに持ち味を失うようなことにでもなれば、いよいよ致命的な状況に陥りかねない。内容的には明らかな復調気配があるだけに、どちらに転がるかで、残りシーズンの展開はまったく違ったものになる可能性がある。

 試合内容も順位相応に酷いものならば、割り切って勝ち点を拾いにいく手もあるだろう。だが、今のG大阪には、そうでないからこそのもどかしさがある。

 よもやのJ2降格危機に瀕するかつてのアジア王者は現在、今後の行方を左右する重要な分岐点に立っているのではないかと思う。

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