【Jリーグ】データで見る「敵にとって危険なストライカー」ベスト3

  • 木村和司●解説 analysis by Kimura Kazushi text by Sportiva
  • photo by Yamazoe Toshio

昨季の得点王ケネディは、ストライカーとしてどんなプレイが優れているのだろうか。昨季の得点王ケネディは、ストライカーとしてどんなプレイが優れているのだろうか。まもなく開幕するJリーグ。今季はどのチームが躍進し、どんな選手が躍動するのか、否が応でも期待が高まる。そこで今回、改めて2011年シーズンを振り返り、選手個々のプレイ実績を示したデータをピックアップ(※昇格組のFC東京、鳥栖、札幌は含まず)。ストライカー、チャンスメーカー、ディフェンダーとポジションごとに、今最も力を発揮しているプレイヤーを探ってみた。

プラティニのようなレアンドロ

 第1弾は、ストライカーに関するデータを検証。昨季まで横浜FMの指揮官だった木村和司氏に解説してもらいながら、Jリーガーの中で「敵にとって危険なストライカー」は誰なのかを分析していきたい。


   まず、それを示す最たるデータは、公式記録として発表されている「得点ランキング」(表1)だろう。ハーフナー、イ・グノ、李ら上位3選手がJの舞台から離れてしまったが、ここに名を連ねた面々はゴールという結果を積み重ね、Jで最も警戒すべきストライカーであることは間違いない。

 ベスト10メンバーを評して木村氏は、「点の取れる"場所"に必ず顔を出してくる選手たち」と語る。なかでも、MFながらランク3位に入ったレアンドロ・ドミンゲスを絶賛。

「FWではない選手がこれだけ点を取れるのは、大したもの。とにかく、彼もポジショニングがいい。ボールをもらう前の動きがよくて、ボールを受けるときには必ずいいところにいる。きっちりブロックを作って守っていても、その間のスペースに入ってくるから、本当にやっかいな選手だ。そのスタイルは、まるでプラティニのよう。ボールの流れが読めるというか、先を予測する動きに優れているから点も取れる」

 この数字の高さが、まさに柏の優勝の原動力であったことの証明。レアンドロは、Jで最も危険な「隠れストライカー」といったところか。

敵が最も嫌がるのはシュート

 さて、本題はここからだ。敵が恐れるストライカーというのは、ゴールという結果だけでは推し量れないはずである。そこに行き着く過程で、どんなプレイをするかが重要ではないだろうか。その点について、木村氏が解説する。

「監督時代、ミーティングでよく『敵が嫌がることをしろ』と何度も繰り返して言ってきた。では、嫌がることとは何か? いちばんは試合に負けることであって、ゴールされること。ならば、それに直結するプレイと言えば、シュートだ。その前段階として、裏を取られたり、ドリブルやパスで抜かれたりというのもあるけれども、敵にシュートを打たれるのは何より嫌だし、そういう選手が相手にいるのはやっぱり怖い」

 それを示すデータが表2。「シュート数ランキング」だ。

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