【Jリーグ】スーパー杯で見せた王者の貫禄。進化する柏に再び奇跡の予感

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「取れるタイトルはすべて取りにいくのが、チームとしての約束事」(大谷)という柏が見事スーパー杯を制した。「取れるタイトルはすべて取りにいくのが、チームとしての約束事」(大谷)という柏が見事スーパー杯を制した。 Jリーグの新たなシーズンの幕開けを告げる、ゼロックス・スーパー杯が3月3日、東京・国立競技場で行なわれた。

 結果から言うと、2-1で勝ったのは昨年のJ1王者、柏である。苦しい試合展開にもかかわらず、耐えて勝利を手にする、実に柏らしい勝ち方だった。

 だが、柏について話を進める前に、まずは敗れた昨年度の天皇杯王者、FC東京について触れておきたい。

「初めての公式戦であることを考えれば、必ずしも内容は悪くなかった。主導権を握り、ゲームを進められた。我々が何を目指しているかは、示せたのではないだろうか」

 試合後、ポポヴィッチ監督が時折笑みを浮かべ、満足そうに語ったように、開始直後から優勢に試合を進めたのは、FC東京のほうだった。特にサイドでのコンビネーションは、新監督が就任したばかりのチームとは思えないほどで、すでに確立したものを手にしていた。

 しかも、ボールを奪われた後の守備への切り替えが抜群に速く、すぐにボールを奪い返せる。15分過ぎに見せた、柏に息つく暇を与えない連続攻撃は圧巻だった。敗れはしたが、今年J1に復帰したばかりの彼らが見せたサッカーは、いきなりの上位進出を期待させるに十分なものだったと言っていい。

 しかし、FC東京がどれほど素晴らしいサッカーを見せたにせよ、最終的に凱歌をあげたのは柏だ。冒頭にも記したが、柏らしい強さは今年も健在。それどころか、強さを支えるバックボーンは、昨年以上に堅固なものとなっている印象さえ受ける。

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