【日本代表】
今野泰幸のフル出場が示すザックジャパンが志向するスタイル

  • photo by Yanagawa Go

福田正博 フォーメーション進化論 vol.10
2011年はアジアカップで優勝。これまでの通算成績は11勝6分け1敗のザックジャパン2011年はアジアカップで優勝。これまでの通算成績は11勝6分け1敗のザックジャパン 2月24日の親善試合、アイスランド代表戦からザックジャパンの2012年がスタートする。29日にはワールドカップアジア3次予選のウズベキスタン戦が行なわれるが、どんな戦いを見せてくれるか、今から楽しみだ。

 基本となるフォーメーションである4-2-3-1について、以前、長谷部誠に聞いたときには、守備面に関しての監督からの指示は「そこまで細かくない」と言っていた。つまり、このシステムの守備については、ザッケローニ監督から見ても、それほど手を加える必要性を感じなかったということなのだと思う。

 不動のGKは川島永嗣。経験の必要なポジションであるGKは、30歳から伸びると言われるほどで選手生命が長く、昨年引退したマンチェスター・ユナイテッドのファン・デル・サールのように30歳を過ぎてもビッグクラブで活躍を続け、41歳までやる選手もいる。川島も欧州でそうした経験を積んでほしいし、守護神としての活躍を期待している。また、下の世代には西川周作、権田修一といった能力の高いGKもいるので、彼らにもさらに成長してもらいたい。

 センターバック(CB)③④は今野泰幸と吉田麻也。これは、ボールポゼッションを志向して、高いラインを維持して相手を押し込むサッカーをするために、ザッケローニ監督が考えた人選なのだろう。ポゼッションを前提にして、高いラインをキープする場合、GKとCBには、守備の強さだけではなく、ビルドアップができるボール回しの技術や、フィード能力が求められる。同時に、CBはスペースケアができる戦術眼がなくてはいけないし、身体能力、とくにスピードが必要だ。空中戦に強いこと、人に強いことも要求され、日本人には適した人材が少ないポジションではある。

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