澤穂希が切り開いた世界一への道。「ひとつひとつ積み上げてきた」

  • 早草紀子●文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Enrico Calderoni/AFLO SPORT

受賞式でメッシとFIFAブラッター会長と並んで記念撮影に応じる澤穂希受賞式でメッシとFIFAブラッター会長と並んで記念撮影に応じる澤穂希

「HOMARE SAWA」――その名が読み上げられた瞬間、澤穂希は文字通り世界一のプレイヤーとなった。

 日本時間の1月10日、スイスで行なわれたバロンドール2011において、澤が年間最優秀女子選手に選ばれた。この賞は、サッカー界で最も権威のあるものだ。

 もともと男子選手を賞するもので1956年に発足し、女子選手の部門が開設されたのは2001年。初年度に獲得したのは、当時のアメリカのスーパースターだったミア・ハムだった。

 それから10年、この賞を獲得したのは他にドイツのビルギッド・プリンツ、ブラジルのマルタの2名のみ。マルタに関しては2006年から5年連続で獲得していた。

 世界208カ国の代表監督、主将、ジャーナリストの投票で決するこの名誉ある賞の最終ノミネート選手は澤のほかにマルタ、そしてアメリカのエースであるアビー・ワンバックの3名。いずれも世界が認めるトッププレイヤーだ。

 昨年、なでしこジャパンはドイツワールドカップで初優勝を遂げた。そこで5ゴールを挙げて得点王となり、大会MVPを獲得した澤の受賞は我々日本人からしてみれば当然のことのように思われる。

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