J Football 松原渓 素顔の撫子

[2011年06月25日(土)]

【なでしこジャパン】ドイツ組・安藤梢が狙うW杯初ゴール。「メダル獲得が最低限の目標」

3度目のW杯出場となる安藤。現在プレイするドイツでの開催とあってモチベーションは高い「素顔の撫子」Vol.14安藤梢

 一昨年から活躍の舞台をドイツに移した安藤梢選手。同じく女子ブンデスリーガ・ポツダム所属の永里優季選手との日本人対決を実現させるなど、男子海外組の華々しい活躍に負けじと、ドイツで日本女子サッカーの未来を切り開いた。

 1年半が経過し、日本とは異なるスタイルのサッカーに身を投じている彼女は、プレイも身体能力もひと回りスケールアップしてドイツでのワールドカップ(W杯)に臨む。

【Career】
 父親の影響で3歳からボールを蹴り始め、小学校6年生時に宇都宮JFCジュベニールの一員として全国少女サッカー大会で優勝し、大会MVPを獲得。中学校時代は栃木県の河内SCジュベニールでプレイ(鮫島彩選手も同郷・同クラブ出身)。

 その後、栃木県立宇都宮女子高校に進学。U-18日本代表に招集されると、1999年のFIFA女子世界選手権(現在の女子W杯)アメリカ大会のメンバーにも唯一の高校生として選ばれ、ノルウェー戦でA代表デビュー。

 高校卒業後は筑波大学に進学し、2002年にはさいたまレイナスFC(現・浦和レッズレディース)に入団。大学との”二足のわらじ”だったが1年目からゴールを量産、同年の新人王を受賞した。以後は不動のエースとしてクラブに2度のリーグ優勝(2004、2009年)をもたらし、個人でもリーグMVPと得点王(2004、2009年)に輝いた。また、2006年からはプロ契約選手となった。

 2009年末には、ドイツ女子ブンデスリーガ1部のデュイスブルクへ移籍。長年の夢だった海外移籍を実現させた。デビュー戦となったドイツ女子カップ準々決勝・ケルン戦でゴールを決めると、その後も先発で出場し、カップ戦優勝に貢献。女子CLではポツダムに所属する永里優季選手との日本人対決が2年連続(2010決勝/2011準決勝)で実現(ともにポツダムが勝利)している。

 昨年のAFC女子アジアカップ2010では得点王、MVPを獲得。これまで2度のW杯(1999アメリカ・2007中国)と2度のオリンピック(2004アテネ・2008北京)に出場しており、自身3度目のW杯となる今回は、「メダル獲得が最低限の目標」と話す。

【Play style】
 キープ、ドリブル、シュートどれをとっても高いレベルにあり、代表では、その縦への推進力を生かすべくサイドバックにコンバートされた時期もあった。しかし、自身も得点へのこだわりを口にするように、適性はやはりFWにあると言っていいだろう。サイドからスピードに乗ったドリブルで切り込み、繰り出される豊富なアイデアと高い決定力は大きな魅力だ。

 身体は特に強い方ではなかったが、スピードとパワーを求められるドイツでのプレイに対応するため、「食事やトレーニングの変化にも進んで取り組んだ」という。筋肉量は確実に増し、その成果はピッチ上で確実に表われている。

 なでしこジャパンでは「いじられキャラ」というが、ピッチを出ると、あどけない笑顔とほんわかとした優しい語り口で周囲の空気を和ませてくれる。

 W杯でグループリーグを勝ち上がり、決勝トーナメントに進出すればドイツで29歳の誕生日を迎える安藤梢選手。四半世紀をボールと共に過ごしてきたサッカーの申し子が、自らのゴールでなでしこジャパンを勝利に導く。

 代表通算85試合、17ゴール。愛称は、”あん”、”あんち”など。


【Q&A】
――先日(6/18)の韓国戦は、雨でピッチコンディションが悪く、やりづらかったのでは?
「はい。でも、やっぱりFWなので点を取れなかったのは残念です」

――同じドイツでプレイする永里選手との2トップでの出場となりました。
「2トップを試したのは最近なんですけど、違和感はないです。お互いにドイツでプレイしているので、距離感はほかのメンバーとは少し違いますね。日本ではボールホルダーに対して近付いてパスを受けようとするけど、ドイツでは離れて、スペースでボールを受けることが多いので。離れて受けようという意識が働きます」

――安藤選手と永里選手は相手のファウルへの対応が冷静で全く動じていないように見えました。それもやはりドイツでの経験の賜物でしょうか?
「そうだと思います。ドイツは当たりやプレッシャーも練習からものすごく激しいので慣れましたね」

――ドイツで特にフィジカルが強くなったと言っていましたが、やはりトレーニングや食事の違いは大きいですか?
「そうですね。トレーニングもそうですが、食べるものも日本とはかなり違います。ドイツでは、『ドイツ人になろう!』と思ってます(笑)。言葉もそうですし、なるべく向こうの生活習慣に合わせて生活しようと心がけています」

――普段の食事はどんなものを?
「ドイツは日本に比べると乳製品が圧倒的に多いですね。日本の場合、冷蔵庫にバターはあっても1パックだと思うんですけど、ドイツでは大きな塊で3~4個は必ずストックしてあります。それに、チーズも両手に収まりきらない大きいものがいくつも。あと、1回の食事で食べる量が全く違いますね。とにかく出てくるプレートが大きいです」

――自分でお料理を作ったりしますか?
「します。自分で作る時は和食が多いかな」

――ほかに、ドイツでプレイして驚いたことは?
「練習の時からかなり意見をぶつけ合いますね。しかも、ドイツは女子サッカーのレベルが高くて、日本より歴史が長くランキングも上なので、練習の時から上から目線で言ってきます(笑)。もちろん言い返しますよ。伝えるべき自分の意見は伝えるようにしています」

――今回のW杯はドイツ開催ですが、1年半向こうでプレイして、ホームという感覚はありますか?
「それはかなりありますね! 試合会場は家のすぐ近くだし、スタジアムまでは見慣れた景色で、自分もプレイしたり試合を観に行ったことのあるスタジアムが多いので。大会に向けて街が盛り上がる様子もずっと見てきたので、そんな中でプレイできるのがすごく楽しみです。ドイツの友達も観に来てくれますし」

――本大会に向けて目標を教えてください。
「北京五輪で4位だったので、今回はメダルを絶対に取りたいです。個人的には3度目のワールドカップですが、まだゴールを決めていないので、決めて勝利に貢献したいですね。それと、ドイツと当たることになればチームメイトも多いので、絶対に勝ちたいです!!」

【PROFILE】
ANDO KOZUE
1982年7月9日 栃木県宇都宮市出身。
164cm・A型
FCR2001デュイスブルク所属。FW/MF
背番号 26(日本代表では「7」)
なでしこジャパン W杯1次リーグ 試合日程
6/27(月) 22:00~vs.ニュージーランド
7/1(金) 22:00~vs.メキシコ
7/5(水) 25:15~(6日1:15~) vs.イングランド
※NHK BS1で放送予定
日本サッカー協会公式サイト/なでしこジャパンページ
なでしこリーグ オフィシャルページ

プロフィール

松原渓
松原渓(まつばら・けい)

1983年8月25日福岡生まれ東京育ち
芸能人フットサルチーム、南葛シューターズ所属。
女子サッカーを中心に、Jリーグ、フットサルなどの取材も重ね、
スポーツライターとしても活動中。詳しくはブログや各媒体で
今シーズンから『INAC TV』(BSフジ)にオフィシャルキャスターとして出演。
>> ブログ「Kei Times」

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