【木村和久連載】偏差値にスコア...数字に縛られた人生でいいのか

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第56回

 以前から思っていたのですが、ゴルフのスコアと大学の偏差値って似ていませんか? 

 ゴルフは、100~70ぐらいの間でスコアが右往左往するし、大学入試においてはこれまた、偏差値40~70ぐらいの間で四苦八苦するし......。そう思うと、そうした上下差20~30ある数字の中に、人間ひとりひとりの人生がなんとなく凝縮されているような気がしてならないのです。

 長い人生において、最初に受ける"数字の洗礼"は、偏差値です。中学校や高校の入試でも偏差値はありますから、我々は幼い頃からそれに慣れ親しんでいます。

 そして、大学の偏差値となると全国レベルで競い、卒業後もその偏差値を背負うことになります。頂点の東大、京大、そして一橋、早慶、上智、ICUなどと続き、さらに「MARCH(明治、青学、立教、中央、法政)」などがあって、我が母校・明治学院大学がそれらの後塵を拝しって......う~ん、さすがに地味ですね。

 ともあれ、大学の偏差値などにとらわれないで、「自ら進運を開拓すべし」(母校・石巻高校の校訓)の精神にのっとり、フリーの文筆業を始めると、絶好のタイミングでバブル景気到来! 調子こいて始めた、ゴルフにはまりました。

"100切り"はなんとか達成し、「目指せ、シングル!」と突き進みましたが、ハンデキャップ「12」で挫折。シングルまではハンデ3つ届かず......。これって、早慶、上智を目指したものの、それは無理だから、せめて「MARCH」に入りたいと思っていたのに明学だったという、自分の大学偏差値と酷似しています。

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