嵐でも日没でも。72ホール競技にこだわるPGAツアーのプライド

  • 武川玲子●文 text by Reiko Takekawa
  • photo by Getty Images

 WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 前週のチューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズ(4月28日~5月1日/ルイジアナ州)は、連日の悪天候によって、予備日となる5月2日の月曜日まで持ち越された。しかも、最終的には54ホール競技の大会に短縮せざるを得なくなってしまった。

 それでも、月曜日に第3ラウンドを終えたあと、わずかな好天の合間を縫って、ブライアン・スチュアード(33歳/アメリカ)とジェイミー・ラブマーク(28歳/アメリカ)、そしてアン・ビョンフン(24歳/韓国)の3選手によるサドンデスのプレーオフが行なわれたことは、幸運だったかもしれない。

悪天候により、何度も中断したチューリッヒ・クラシック悪天候により、何度も中断したチューリッヒ・クラシック PGAツアーは「72ホール競技の大会を成立させるため、あらゆる努力をする」という、とても強いポリシーがある。これは、ツアー規定にも明記されていて、そう簡単に妥協することはない。万が一36ホール競技で終わってしまった場合、賞金額こそ公式記録に加算されるが、優勝そのものは非公式となってしまうからでもある。

 実際に2005年以降、この11年間で54ホール競技に短縮されたのは、たったの4試合。72ホール競技を前提とする、PGAツアーの強い意識を感じる数字だ。

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