【木村和久連載】私が「生涯レギュラーティー宣言」する理由

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第12回

 私、以前はゴルフ倶楽部のメンバーで、バックティー競技にも参加していましたが、現在はできることならば、死ぬまで距離の短いレギュラーティーでラウンドしたいと思っております。

 題して、「生涯レギュラーティー宣言」。これを、高らかに謳(うた)いたいと思います。

 何ゆえ、レギュラーティー宣言なのか? 

 そもそもアマチュアの飛距離は、大して進歩していない、という事実があります。30年前、ジャック・ニクラウスがまだ活躍していた頃の、プロのドライバーの飛距離は約260ヤード。しかし現在、アメリカツアーでは300ヤードが当たり前の世界です。

 では、アマチュアはどうでしょう? 30年前、おそらく200~210ヤードぐらいだったんじゃないですか。今でも、せいぜい220ヤードぐらいと見ています。

 昔は、アマとプロの飛距離の差は、今ほどなかったのです。ひょっとしてプロに近づけるんじゃないかと思って、アマチュアの人もバックティーから打っていました。だいたい昔のコースのバックティーは短くて、全長6700~6800ヤードが平均でした。

 けれども、今のトーナメントコースは、改造を重ねて全長7000ヤード超えがざらです。これじゃ、アマチュアが打っても、打っても、グリーンに届かないわけです。

 アマチュアは何で飛ばないのか。そこを書くとキリがないので細かく触れませんが、強いて挙げれば、ドライバーの高反発規制(2008年)の影響をモロに食らったのが、アマチュアと言えます。

 プロは、ヘッド、シャフト、ヘッドスピード、ミート率、ボールなどで規制に対応してきました。でもアマチュアは、そんなものをフィットさせてくれる、コーチやフィッターもいませんから、飛ばないまま。要するに、コツをつかんでないのです。

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