小林浩美会長に聞く「なぜ今、女子ゴルフが大人気なのか?」

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

日本女子ゴルフ協会・小林浩美会長インタビュー(前編)

 今、日本女子ゴルフツアーがかつてないほどの盛り上がりを見せている。昨年は15歳(当時)の勝みなみがアマチュアながら優勝し、今季も20歳の藤田光里が初優勝を飾るなど、若手ゴルファーの台頭が著しい。また、現在、賞金ランキングトップを走る韓国のイ・ボミを筆頭に、強くて美しい海外選手にも多くのファンがついている。年間37大会を開催する日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の会長として、3期目を迎えた小林浩美会長に絶大な人気の理由を聞いた。

2011年に日本女子プロゴルフ協会の会長に就任した小林浩美氏2011年に日本女子プロゴルフ協会の会長に就任した小林浩美氏

―― 国内における女子のプロスポーツで、LPGAツアーほど活況を呈(てい)している競技はありません。

小林 非常に手応えを感じています。ここ4年連続で賞金総額は史上最高額を更新していますし、テレビ視聴率も昨年より約1%伸びています。以前のように10%を超えることは、ここ数年ありませんが、安定した高めの位置で推移しているので、根強いファンに支えられていると感じています。

―― 世界的に見ても韓国勢の強さは際立っていますが、誰が勝つかわからない群雄割拠の状況も女子ゴルフ人気の大きな要因となっているのでしょうか。

小林 もちろん大きいと思います。毎年、若く実力をつけた選手が登場し、ベテランや若手も含めて、「見たい」「応援したい」と思える選手が増えた。それは社会が多様化しているという現状とリンクしているのだと思います。その一方で選手層は厚くなっている代わりに、飛び抜けた選手がいないのが現状です。だからこそ、いろいろな選手にそれぞれファンがつき、応援をしていただいている。プロスポーツですから、魅せることも意識しなければいけません。ゴルフが強いだけではなく、身だしなみや見せ方にも注意を払い、ファンサービスにも選手ならではの要素を取り入れています。試合内容も、20年前なら守りのゴルフで勝てましたが、今は積極的に攻めてスコアを伸ばして勝つのが当たり前になっています。そうした試合の内容についても、ギャラリーの方から「面白いね」と好評をいただいている理由だと思っています。

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