米ツアー1年目、大事な「何か」を失っていた松山英樹

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by AP/AFLO

 ジョージア州のイーストレイクGC(パー70)で開催されたフェデックスカップ・プレーオフ(※)第4戦、かつ米ツアーの今季最終戦となるツアー選手権(9月11日~14日)に挑んだ松山英樹。フェデックスポイントランキング上位30名(今回は30位のダスティン・ジョンソンが欠場し29名)のみで争われる大会での奮闘が期待されたが、4日間通算6オーバー、22位に終わった。

※フェデックスカップとは、米ツアーの各試合の順位に応じて与えられるポイント(フェデックスポイント)によって、年間王者を競うもの。同カップはレギュラーシーズンとプレーオフに分かれていて、レギュラーシーズンの総合ポイントランキング125位以内に入るとプレーオフに進出できる(同時に来季のシード権も獲得)。プレーオフは全4戦で構成され、試合ごとに積算ポイントのランキングによって、出場選手数が制限されていく。2戦目が100名、3戦目が70名、最終戦は30名となる。今季はプレーオフ第3戦に続いて、ツアー選手権も制したビリー・ホーシェル(アメリカ)が総合優勝。1000万ドル(約10億円)のボーナスを手にした。

今季最終戦のツアー選手権では思うような結果を出せなかった松山英樹。今季最終戦のツアー選手権では思うような結果を出せなかった松山英樹。「ショットも、パットも、イマイチという感じでずっとやっていて、最終日もうまくいかなかったですね。4日間で、(良くなる)きっかけになりそうな場面も何度かあったんですけど、それを生かせなかった。それが、今の状態なのかな、と思います。7連戦でも体はびっくりするほど元気ですし、モチベーションも決して低くはなかった。『やってやろう!』という気持ちが強かった。そんな体も気持ちもいい状態なのに結果を出せなかったのは、(勝てるだけの)技術が自分に伴っていなかっただけ」

 米ツアー初優勝(ザ・メモリアルトーナメント/5月29日~6月1日)を飾って以降、やや精彩を欠いていたティーショットとパッティングに、ツアー最終戦でも悩まされ続けた。ティーショットは右に抜けてしまうことが多く、初日はフェアウェーキープ率が50%を下回った(42.86%。4日間の平均は55.36%)。パッティングでは連日2回は3パットを喫して、スコアメイクに苦しんだ。特に3日目は、33パットと大荒れ。松山自身、あまりの入らなさに呆れた表情を見せた。

「(際どいパットが)2、3個、ポンポンって入ってくれれば、調子に乗っていけるのになって思いながらプレイしているんですけどね。それが、なかなか入らない。(6~8mの)微妙な距離のパットが入ってこそ、流れが変わるんですけど......。パッティングの感触は良くなっていますし、何で入らないのかなって思っています。目線がズレているのか、ラインやタッチの読みが合っていないのか、ちょっとわからない。いい感じでストロークできているのに、ボール1個分カップを外れていくと、さすがに笑ってしまいます」

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