石川遼が予選落ち後、ハワイで語った「2014年型スタイル」

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 1月9日、米ツアーのソニーオープン・イン・ハワイ(1月9日~12日/ハワイ州)が開幕した。石川遼にとって2014年の初戦であると同時に、米ツアー本格参戦からちょうど1年となる節目の大会だった。開幕を2日後に控えた1月7日、石川はこの1年を改めて振り返り、すでに昨年10月から始まっている米ツアーの2013-2014年シーズンの展望を明かした。

「昨季(2013年1月~9月※)は(腰痛やパッティングの不調など)いろいろなことが自分に起こった1年でしたし、自分の実力が(アメリカで)どれぐらいなのかわからず、試合に臨むうえでも『やってみないとわからない』という状態だったと思います。今季のほうが落ち着いているし、幸運なことに良いスタートが切れている。昨季は(シード獲得のために重要な)フェデックスポイント(※)に対する意識は高くなかったんですけど、今季はシード獲得に必要なポイントを推測して、そのためにはトップ10があと2回必要だとか、トップ20が4回必要だとか、計算しながら戦っていきたい」

※米ツアーはこれまで年明けの1月からシーズンが開幕していたが、今季(2013-2014年シーズン)から2013年10月に新シーズンがスタート(2014年9月まで)。ひとシーズンが年をまたぐことになった。また、フェデックスポイントは、米ツアーのシリーズトーナメントの各試合の順位によって与えられるポイント。メジャー大会など、大会の規模によってポイントは異なる。

 シード獲得に奮闘した昨季の経験から、いたずらに「優勝」という壮大な目標を口にすることはなくなった。目の前の試合に集中しながら、長いシーズンをいかに戦っていくかに重点を置く。そして、当面の目標は来季シード権の獲得である。

「優勝するか、予選落ちかというような戦い方ではなく、初日、2日目は出遅れないようにして、予選通過できたら、3日目、4日目で(フェデックス)ポイントをできるだけ取れるように集中していきたい。当分はそういう戦い方になると思いますし、シードを早く確定させることで『優勝を狙おう』という気持ちになっていくと思います。そういう考え方ができるようになったのも、昨季から学んだことだと思います。自分の技量を過信するのも、過小評価するのも良くない。客観的に、自分の技量に応じて戦っていかないといけない」

 昨年1月の石川にあったのが「気負い」ならば、本格参戦2年目を迎えた石川にあるものは「心の余裕」かもしれない。年末のザ・ロイヤルトロフィー(2013年12月20日~22日/中国)から2週間のオフを挟んで迎えたソニーオープン初日の目標設定は、ずいぶんと謙虚なものだった。

「初日は最低でも70位ぐらいでスタートできれば......。自分はもともとスロースターターで、2日目から4日目に向けて良くなっていくタイプ。初日に出遅れたとしても、そこまで焦る必要はないと思います」

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