【女子ゴルフ】今季ツアーの主役は、森田理香子ら「第2世代」

  • text by Sportiva
  • photo by Getty Images

開幕戦のダイキンオーキッドレディスで優勝を飾った森田理香子。開幕戦のダイキンオーキッドレディスで優勝を飾った森田理香子。 日本女子ツアーの開幕戦、ダイキンオーキッドレディスを見て、「今季の女子ツアーは面白くなりそうだ」と思った人は少なくないだろう。

 木戸愛、森田理香子、横峯さくらという人気と実力を兼ね備えた3人の、今の日本女子ゴルフ界における最高の組み合わせが、開幕戦の最終日最終組で実現。彼女たちがそれぞれの持ち味を発揮して、最後までしびれるような戦いを見せてくれたからだ。

 とりわけ、今季の女子ツアーに期待を膨らませる要因となったのは、新たなスター候補の呼び声高い木戸が開幕戦から存在感を示し、"次世代のエース"と見込まれる森田が横峯とのプレーオフを制したことにある。つまりそれは、「第2世代」と称される若きプレイヤーたちの、今季の飛躍を大いに予感させるものだったからだ。

 振り返れば10年前、高校3年生の宮里藍が女子ツアー(2003年9月、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子)を制した。それを契機にして、宮里をはじめ、同世代の横峯、上田桃子、諸見里しのぶ、有村智恵ら、若手プレイヤーが女子ツアーを席巻。プロ入りして1年目、2年目の選手がすぐに結果を残し、20代前半で賞金女王の座までも手にした。彼女たちがいわば、日本の女子ゴルフ界を劇的に変えた「第1世代(1985年~1987年生まれ)」と言えるだろう。

 その「第1世代」の活躍に追随するようにして、その後も若い選手たちが続々とプロの世界に飛び込んできた。それが、宮里が脚光を浴びた当時、中学生、もしくは小学生だった「第2世代(1988年~1990年生まれ)」の選手となるが、彼女たちは才能の高さは認められながらも、なかなか日の目を見ることはなかった。

 何より「第1世代」の壁が厚かった。そのうえ、近年は実力のある韓国人プレイヤーがこぞって日本ツアーに参戦。その強さに圧倒されてきた。デビュー早々にツアー優勝を飾っていた「第1世代」に比べて、「第2世代」はなかなか結果を残すことができなかった。まして、賞金ランクで上位争いに加わることなどなかった。

 しかし今季は、じっくりと秘めた才能を磨いてきた「第2世代」が、ついに爆発しそうなのだ。次々にアメリカに渡っていった「第1世代」の選手たちに代わって、日本ツアーの「顔」となり、韓国人プレイヤーの壁を打ち破ろうとしている。

 その代表格が、ダイキンでツアー3勝目を飾った森田だ。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る