【男子ゴルフ】米ツアー初戦は予選落ち。
石川遼が珍しく弱音を漏らしたワケ

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

今季初戦は予選落ちに終わった石川遼。今季初戦は予選落ちに終わった石川遼。 アメリカPGAツアーメンバーとなって迎えた初戦、ヒュマナチャレンジに挑んだ石川遼は、予選落ち(通算3アンダー、135位)の結果に終わった。予選ラウンド3日間で、3つのコースを日替わりでアマチュア選手と回るイレギュラーなトーナメントとはいえ、3日目終了時点で首位のS・スターリングスとは実に19打差。予選通過のカットラインまでも7打差と、ツアールーキーとしての現在地を推し量る舞台には、厳しい現実が待っていた。

 ラウンド中は時折苛立ち、ラウンド後は両手をズボンのポケットに入れながら取材に応じていたが、その言葉は石川らしく前向きなものだった。

「まだ初戦。気落ちする必要はない。初日は新しいスイングに手応えがあった。もちろん、まだまだの部分が大きいけど、今は気持ちを切り替えて、すべてが良い方向に行くように、また来週のトーナメントに向けて練習していきたい」

 石川は年明けすぐ、病院を訪れてMRI検査を受けた。診断後、医師やトレーナーと相談のうえで、新スイングに着手した。ヒザ下の動きを極力抑えたこのスイングは、昨シーズン中に痛みを発症した腰や股関節に負担をかけないというもの。ヒュマナチャレンジまでに時間は2週間しかなかったが、長く厳しい米ツアーを戦い抜き、再びシード権を得るには、このスイングしかないと即断した。

 ヒュマナチャレンジ初日は、その新スイングに手応えを感じている様子だった。

「自分でもびっくりするぐらいショットが良かった。それは体の調子の良さの表れだと思う。僕はあまりトレーナーさんにマッサージはしてもらっていなくて、自分の体は自分の回復能力で整えていくことをテーマにしている。これは、トレーニングやリハビリ、そして新スイングの成果だと思う」

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