リバプール大敗の原因はアジアカップの日本代表と共通 ELで遠藤航は正念場に (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 左からコーディ・ガクポ(オランダ代表)、ダルウィン・ヌニェス(ウルグアイ代表)、エリオットが並ぶ4-3-3のFW陣は楽観的なプレーに終始した。ボールの奪われ方が悪く、アタランタにつけ入る隙を与えていた。

 実際、リバプールは実際、開始直後の3分、エリオットがボールを奪われ、その流れで決定的なピンチを招いている。マリオ・パシャリッチ(クロアチア代表)の近距離シュートを、GKクィービーン・ケレハー(アイルランド代表)が、顔面で奇跡的に止めたシーンだ。この時点で悪い兆候に気づくことができていれば、トゥーン・コープマイネルス(オランダ代表)、ダビデ・ザッパコスタ(イタリア代表)を経由して、ジャンルカ・スカマッカ(イタリア代表)が決めた前半38分の先制点は、未然に防げたのではないか。

 後半に入っても流れは変わらなかった。リバプールは選手を代えても、調子に乗ってしまったアタランタの勢いを止めることはできなかった。後半15分、先制点と同じような展開から再びスカマッカが決めて0-2とされると、後半37分には中盤でソボスライがボールを安易に失うミスを犯し、パシャリッチに追加点を献上して0-3とされてしまう。緊張感なくフワッと試合に入ったツケが、最後まで響くことになった。

アタランタ戦に先発、後半31分までプレーした遠藤航(リバプール)photo by Reuters/AFLOアタランタ戦に先発、後半31分までプレーした遠藤航(リバプール)photo by Reuters/AFLOこの記事に関連する写真を見る 遠藤は後半31分でベンチに下がった。これは前戦、マンチェスター・ユナイテッド戦と同じタイミングになる。いずれも相手にリードを許し、攻撃的にシフトする必要性が生じたことが理由と考えるのが自然だ。実際、遠藤がピッチを去った後、4-3-3のアンカーのポジションには、それまでインサイドハーフを務めたアレクシス・マック・アリスター(アルゼンチン代表)が就いている。展開上、やむを得ない交代といえるが、肝心の遠藤のプレーの出来も、いいものではなかった。チームの悪い流れに巻き込まれた恰好になった。

 前半43分には、横パスをかっさらわれる大きなミスを犯している。後半29分にも、ジョー・ゴメス(イングランド代表)から引き取ったパスをコープマイネルスに狙われ、大ピンチを招いていた。その直後にピッチをあとにしたので、展開上やむを得ない交代として片付けることは、楽観的すぎるかもしれない。10段階で採点するなら5.5。平均点を6とすれば、それをやや下回る評価になる。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る