シント・トロイデンに勝利。完全復活へ森岡亮太に精気が蘇ってきた (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 これだけいい感触のシュートを撃ち続けると、森岡がシュートモーションに入っただけで相手は慌て出す。59分、森岡がペナルティエリアのすぐ外でボールを持って、目線を相手ゴールに向けると、大急ぎでシント・トロイデンのCBホルヘ・テシェイラが詰めてシュートをブロックした。
 
「相手キーパー(ルーカス・ピラード)がよかったですね。ボレーシュートはちょっとコースが甘かったですけど、左45度から打ったシュートは本当に入ったと思いました。でも、ああいうプレーが出てくるようなコンディションになってきたので、それは本当によかったです」

 アンデルレヒトの一員として迎えたプレシーズンでは、森岡のコンディションがハイン・ファンハーゼブルック監督(当時)に問題視されて戦力外の扱いを受ける試練もあった。シント・トロイデン戦後、「これはもう、何回も話をしたと思うんですけれど」と前置きして語り出した森岡の話は、私にとって初耳だった。

「ファンハーゼブルック監督は、オフにマラソン選手みたいなトレーニングを選手に課していました。だけど、僕は(徐々に)身体を作っていくタイプなので、やり方が違うことを監督にあらかじめ伝え、個別メニューで身体を作っていく許可も得ていたんです。しかし、(夏合宿の最初に)一気にマラソンをさせられたので、身体が耐えられなかった」

 以降、森岡はコンディション不良とケガも重なり、アンデルレヒトで理不尽な扱いに悩まされることになった。しかし、冬の移籍市場でシャルルロワにレンタルされたことで、森岡の状況は好転。2週間前のベールスホット戦では、鮮やかなボレーシュートも決めている。

「シャルルロワに来てよかった。過去に持っていたいいイメージが、ここに来る前(=アンデルレヒト)はなかった。シャルルロワのトレーニングも自分にフィットしていて、コンディションはむしろ(以前より)よくなった」

 アンデルレヒトとの契約は残っているが、レンタルされてから出場機会が増えたことにより、シャルルロワに買い取り義務が発生している。つまり、来季の森岡の保有権を持つのはシャルルロワだ。他のクラブからのオファーをシャルルロワが受けないかぎり、来季も森岡はシャルルロワでプレーすることになる。

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