CLで元気がいいイタリア勢。セリエA復権の希望をナポリに見た

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by AP/AFLO

 いま一番勢いのある国はどこか。欧州でその指標になるデータは、チャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)の過去5年の戦績を元に弾き出したUEFA国別ランキングだ。

 CLもELも1勝の重みは同じ。ポイントに差はない。問われているのは、欧州のカップ戦に出場したすべてのチームの活躍度だ。ある有名チームが好成績を収めても、その他のチームがサッパリではランキングは上がらない。リーグとして活気づいていることの裏付けにはならない。

パリ・サンジェルマン戦で同点ゴールを決めたロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)パリ・サンジェルマン戦で同点ゴールを決めたロレンツォ・インシーニェ(ナポリ) たとえば、CL決勝にユベントスが進出した2014-15シーズンのイタリアだ。欧州一の座はバルセロナに譲ったものの、ユーベは存在感を示すことができた。ともすると、イタリアはスペインと対等な関係にあるかのように見えた。だが、スペインがベスト8に3チーム(バルサ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリード)が駒を進めたのに対し、イタリアはユーベのみ。本大会に出場していたもう1チームのローマは、グループリーグで消えていた。

 2015-16シーズンは、ユーベとともにローマがベスト16入りしたが、両チームは1回戦であえなく敗退。続く2016-17シーズンもユーベは決勝に進んだものの、本大会に出場していたもう1チームのナポリはベスト16で敗退していた。

 しかし昨季(2016-17)は、ユーベ、ローマ、ナポリの3チームが本大会に出場し、ユーベ、ローマがベスト8入りを果たす。イタリアの成績はじわりと向上した。UEFAランキングもスペイン、イングランド、ドイツに次ぐ4番手の座こそ変わりなかったが、2位、3位との差は大きく詰まることになった。

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