温存された香川真司。先発濃厚のバイエルン戦に勝機はあるか? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 結果的にはそれで十分だった。ラモスとエリック・ドゥルムが前後半に1点ずつ決め2-0。ダルムシュタットは中盤を下げて6枚でスペースを埋めてきたが、スペースができた時間帯にサイドから攻めて得点につなげた。最近よく見る中央でポゼッションする形ではなく、SBも攻め上がってのサイドからの攻撃が効いていた。2トップも有効で、ラモスとオーバメヤンの距離の近さとスピード感からチャンスは生まれた。守備面では特筆すべきことはなく、ドルトムントは淡々と試合を終えた印象だ。
 
 試合後、香川真司は「次が大事。頑張ります」と言葉少なにスタジアムを後にした。週末にバイエルン戦を控えているとはいえ、一部の選手しか取材に答えなかった様子からは、あまりいい雰囲気は感じられなかった。最近のチームを、香川は「勝っているのにピリピリ」と説明していたが、そんな空気が続いているのだろうか。アルメニア出身のミキタリアンは、珍しく母国語の質問にさえ答えなかった。自分を差し置いて17歳のテストをされてはたまらない、ということかもしれない。

 同じ日、バイエルンが、奇しくもトーマス・トゥヘル監督の古巣であり、前監督ユルゲン・クロップの古巣でもあるマインツに敗れた。クロップのリバプールはこの日、マンチェスター・シティに勝利。試合後のテレビインタビューでクロップが、「バイエルンがマインツに負けたんだって!?」と、大笑いしている様子が動画で出回っている。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る