ブンデス連続先発の山口蛍が、35分で交代させられた2つの理由 (4ページ目)
不慣れなポジションでのプレーとなるとその判断も簡単ではない。「取れると思って行っている部分があるし、どっかで行かないとボールも取れないと思うので」という意識でボールを奪いに行った山口だったが、結果的にボールは奪えず、逆に相手に攻め込まれるキッカケを作ってしまった。
チームとしてそのような守備をするのであれば山口の持ち味であるボール奪取への高い意識も活きるが、現状そうではない。
問題はチームメイトや監督と考え方の違いがあることにある。日本とドイツ、セレッソ大阪とハノーファーでは守備の仕方は異なる。いくら1対1を重視するドイツとはいえ、個人の能力に頼るところの大きい攻撃と違って、守備ではより周囲との意思の疎通が求められる。これはポジションが右でも中央でも変わらない。
加入後間もなく、言葉もまだ不自由な山口にとっては難しい問題だ。まだ監督と1対1で話し合う機会もないという。もちろん山口もコミュニケーションの重要性をわかっているし、言葉を習得することの大切さをあらためて口にしている。細かな意識の違いは日々の練習で埋めていくしかないが、大きな意識の違いを把握するためにも、一度監督と話をしてもよいのかもしれない。
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