2試合連続ゴール。ミランと本田圭佑の何が変わったのか
オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(3)
『Qualcosa e' cambiato(何かが変わった)』とは、1997年に公開されたジャック・ニコルソン主演の映画『恋愛小説家』のイタリア語のタイトルである。日曜日の夜、パルマのホームで5-4の勝利を手にしたミランはまさにこの「何かが変わった」だった。
でも一体、何が変わったのか?
パルマ戦でゴールを決めた本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) まず昨シーズンに比べてチームのあり方が変わった。アッレーグリ、次いでセードルフが率いていた頃のミランは混乱し、自分を見失っていた。しかし今は1試合ごとに強くなり、一つにまとまり、アイデンティティを持ったチームが作られている。
プレシーズンマッチから変わりつつあった。開幕前までの練習試合、特に序盤のころは、はっきり言ってミランは負けてばかりで、一貫したチームのフィロソフィも存在しなかった。しかしそれも仕方ない。新しい監督、新しいスタッフ、それに補強の途中で暫定的なチームだったからだ。今は役者も揃い、その結果はピッチ内外で出てきている。
そして何よりベンチが変わった。フィリッポ・インザーギはトップチームを率いるのは初めての経験だが、自分の頭の中の戦術や考えを、どのように選手たちに伝えたらいいか、その方法をよくわかっている。ボールポセッションしながらも、スピーディーに敵のゴールに攻め上がる攻撃的サッカー。それがスーペル・ピッポ(ピッポはインザーギの愛称)の求めるサッカーだ。
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