オリジナル10で最も優勝が遠い...。
清水エスパルスはなぜ優勝できないのか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

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 1993年の開幕時からJリーグに参戦する10チームは、俗に"オリジナル10"と呼ばれている。横浜フリューゲルスが横浜マリノスに統合されたことで現在は9チームとなっているが、それぞれのチームには初期メンバーとしてのプライドが備わるだろう。

 開幕から27年が経過し、J2に降格経験がないのは鹿島アントラーズと横浜F・マリノスの2チームのみとなった。最多8度の優勝を誇るアントラーズと、4回で2位のF・マリノス。この両チームがこれまでのJリーグを牽引してきたことは間違いない。

近年は低迷を続けている清水エスパルス近年は低迷を続けている清水エスパルス 一方、9チームのうち、いまだJ1リーグ優勝経験のないチームがふたつある。ジェフユナイテッド市原(現千葉)と清水エスパルスだ。前者はすっかりJ2生活にはまっており、後者も低空飛行が続いている。

 リーグだけでなく、天皇杯とJリーグカップも合わせた3冠で見ても、オリジナル10でもっとも優勝から遠ざかっているのはエスパルスだ。ジェフは2005年と2006年にヤマザキナビスコカップ(現ルヴァンカップ)を制しているが、エスパルスは2001年の天皇杯優勝以降、19年もの間、歓喜の美酒を味わってはいない。

 エスパルスの歴史を振り返れば、"惜しい"という言葉が当てはまるだろう。開幕イヤーの1993年は、ニコスシリーズ(2ndステージ)でヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)に次いで2位。翌1994年のサントリーシリーズ(1stステージ)でも、優勝したサンフレッチェ広島に1勝差で2位に終わっている。

 最もリーグ優勝に近づいたのは、1999年だ。スティーブ・ペリマン監督のもとで躍進を遂げたチームは、1stステージこそ3位となったものの、2ndステージでは優勝を成し遂げた。そして迎えたジュビロ磐田とのチャンピオンシップでは、第1戦を1−2で落としながら、第2戦では意地を見せ、2−1と勝利を奪い取る。

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