本人直撃! Jを吸収中のトーレスの素顔「鳥栖での生活は快適だよ」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 原壮史●写真 photo by Hara Masashi

「佐賀牛は最高です」

 ジュビロ磐田戦の後、記者たちに囲まれたトーレスは笑顔で答えていた。地元に対するリップサービスもあるのだろう。スーパースターとして生きてきただけに、そういうことが自然に無理なくできる。

 性格は恥ずかしがり屋で無口なほうだ。しかし、言うべきことは言う。いわゆる真面目なプロフェッショナル。試合翌日の軽めの練習でも、ジムにこもって筋力トレーニングを欠かさない。全身、バキバキの肉体だ。

「スター選手だからといって、誰に対しても感じがいいし、手を抜くようなことは絶対にしないですね」

 鳥栖の選手たちは口を揃える。その行動はすでに模範となりつつある。

 クラブとしては気をつかい、入団以来、非公開練習を続けているのだろう。しかし、トーレスのような大物選手は、巻き起こる喧騒をもエネルギーにできる。人々の熱気を感じ、自分のプレーに還元できるはずだ。

「トーレスと一緒にプレーできただけでも、このクラブに来た意味はあったというか。子供みたいにはしゃいでしまうところがあります」

 Jリーグで通算400試合以上に出ているDF小林祐三は、その正直な気持ちを吐露している。

「トーレスは、リフティングとかは下手なんです。日本では、ボールタッチが硬いとか、柔らかいとかで、うまさを判断するところがありますよね? でも、そんなの関係ないんだな、とあらためて思います。トーレスの場合、試合ではどんなボールも収められるし、運べますから」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る