まだ「ペトロビッチの遺産」頼み。
浦和レッズは混迷から抜け出せず

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Etsuo Hara─JL/Getty Images

 2017シーズン、王座奪還を目論む浦和レッズ。序盤戦は6勝1敗1分と順調に勝ち点を稼いでいた。ところが第9節で大宮アルディージャに敗れて以来、3勝8敗1分と失速。とりわけ、失点がかさんだ。12試合で27失点、守りは破綻したに近かった。

「攻撃練習ばかりで守備練習をしない」

 批判的な論調がチームを取り巻くようになる。その結果、就任6年目のミハイロ・ペトロビッチ監督は解任。堀孝史コーチが監督に昇格することになった。

「準備の時間は短かったですが、守備の意識をもう一度、植え付けようとしました」

 堀監督は初陣となった大宮戦後に語った。だがこの試合も2失点を喫して勝ちきれていない。順位は8位に低迷したまま。試合翌日には、関根貴大がドイツ2部、インゴルシュタット移籍を発表。サイドで攻撃の渦を作っていた新鋭MFも欠くことになった。

試合終了直前に同点に追いつかれ、うなだれる浦和レッズの選手たち試合終了直前に同点に追いつかれ、うなだれる浦和レッズの選手たち はたして、浦和は混迷から抜け出せるのか?

 8月5日、J1第20節。浦和はホームの埼玉スタジアムに大宮を迎え、「埼玉ダービー」を戦っている。

「監督交代後の1~2試合はチームの調子が浮上する」

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