豊田陽平が語る「イタリア人監督の要求とサガン鳥栖の変化」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

「つないでいこうとする意識が高くなっているのは、ポジティブなことだと思っています。それはフィッカデンティになってから徹底的にやってきたこと で。簡単に蹴っていたところをつなぐことで、時間を作ったり、一呼吸おけるようにはなってきました。ただ、まだまだ効果的ではないときがあります。本当は ここで長いボールを入れていたらチャンスなのに、バックパスと横パスでその機会を逃してしまったり。判断力やしたたかさを身につける必要がありますね。

(川 崎フロンターレの)中村憲剛さんを見ていると、そういう判断の質は高いです。ミスすることを怖がらず、横だけでなく縦にパスが入ってくると、一つ一つのプ レーがもっと有効になってくると思います。もちろん、鳥栖は3ボランチでやっていて、どうしても中盤は数的不利になったり、守備のときはスライドが大変 だったり、というのはわかるんですけど」

 半年間は、ストライカーにとって辛抱の期間だった。それでもイタリア人監督らしく、堅守に関しては一つの成果を上げていた。リーグで2番目に少ない失点数だったのである。

「マッシモから2トップに要求されるのは、サイドを限定するだけ。それに、押し込まれたときにボランチに落ちることですかね。トップ下も置くシステムなので、ショートカウンターのときには人数をかけられるようになっています」

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