164cmの小兵MF三戸舜介は異例の存在 J2→J1のステップアップに「大きな壁、大きな挫折はまだない」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

── テレビで、ですか。

「(JFAアカデミー福島を卒業した)田中陽子選手が山口県出身ということで特集が組まれていたみたいで。それを見た親から『ここへ行ったらどうかな』と言われて、自分も『全国から選手が集まるし、レベルが高いんだろうな。入れるなら入りたいな』と思って、試験を受けることにしました」

── プロを目指すなら、Jクラブのアカデミーという選択肢もあったのでは?

「小さいころは、ただただサッカーが好きでやっていて、Jリーグの試合もそんなには見ていなかったので、当時は(隣県にある)サンフレッチェ広島が強かったですけど、そういうところに行きたいとも思っていなかったんです。

 そんな時に、『全国から選手が集まる学校があるよ』っていうのを聞いて......、親から洗脳されたのかもしれないですけど(苦笑)、自分も『そこしかない!』みたいな感じになって、(JFAアカデミー福島に)行きたいと思いました」

── JFAアカデミー福島には中・高の6年間通ったわけですが、その間、プロを目指す気持ちは揺らぎませんでしたか。

「最初はそう思っていても、だんだんと『なりたいけど、なれるのかな』に変わっていったのが、実際のところでした。チーム内では試合に出させてもらっていても、ほかのチームを見て『ぜんぜん、すごいヤツがいるな......』というのは、ずっと思っていたので」

── プロになれるという手応えを感じ始めたのは、いつごろですか。

「高2の時にU-17ワールドカップに出たんですけど、その大会は高校に上がる時に『これに出られたらプロに行けるんじゃないか』って、ひとつの目標にしていた大会でした。親とも『がんばってU-17ワールドカップに出ようね』っていう話をしていましたし。

 その目標が達成できたので、『これでプロになれるのかな』って考えが変わってきましたね。(U-17日本代表では)周りも(ほとんどの選手が)プロになっている環境でもあったので、自分も現実的になってきました」

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