ミスミス癖を治せ。トルコに逆転負けのU-21日本代表が抱える課題 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Guillaume Ruoppolo/Icon Sport/Getty Image

 後半に入ると、日本は立ち上がりに先制点を奪う。中盤からショートカウンター気味に攻撃を開始すると、右サイドから中央に持ち込んだ藤谷壮(神戸)が潰され、こぼれ球が森島のもとへ。ドリブルで持ち運んだ森島が相手を引きつけて、右でフリーになっていた三好へパスを送ると、三好はワントラップから左足で落ち着いてファーサイドに流し込んだ。

 こぼれ球を拾った時点でフリーになっていた三好へ焦ってパスを送らず、ドリブルでさらに相手を引きつけて三好のスペースを作った森島の判断が光った得点だった。

 ところが、五分五分の状態からいい形で先制点を奪った日本は、思わぬミスで自らを苦しい状況に追い込んでしまう。後半21分、ボールを繋いでいた日本がGK山口瑠伊(エストレマドゥーラUD/スペイン)までボールを戻すと、山口が処理を誤り、杉岡大暉(湘南)へのパスが短くなってしまう。これを奪われると、最後はゴール前でフリーになっていたムジャヒト・アクジャイに押し込まれてしまった。

 前半はトルコの前線からのプレスが緩かったため、GKを含めて余裕を持ってビルドアップできていた日本だったが、リードされたトルコが前線から厳しくプレスを行なうようになると、もたつくようになっていた。

 同点に追いついたことでトルコはさらに攻勢に出る。後半32分、杉岡が自陣エリア左で浮き球を処理しようとした際に、不規則にバウンドしたボールが手に当たってしまい、トルコにPKを与えてしまう。これはGK山口がセーブして難を逃れたものの、相手の勢いを止められないまま2分後に勝ち越し点を許す。トルコの縦パスで右サイドを突破されると、そこからのクロスを冨安健洋(シントトロイデンVV/ベルギー)がクリアしきれず、こぼれ球をアクジャイに押し込まれてしまった。

 この敗戦を決定づけた2つの要素は「状況判断」と「切り替え」だろう。

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