高木豊が注目するセ・リーグ投打のルーキー DeNAの度会隆輝、巨人の西舘勇陽らの能力と期待を語った (3ページ目)
――椎葉剛投手（阪神・ドラフト２位）は160km近い真っすぐが売りのピッチャーですが、コンディションの問題なのか、実戦ではあまり球速が出ていない印象でした。
高木 （高校３年時に）ピッチャーに転向したそうですから、経験の少なさが多少は影響しているのかもしれません。「球が速い」という触れ込みで入団してきたので、そういう部分を見せたいと力が入りすぎてバランスを崩しているのか、球威も制球も今ひとつでしたね。いい調整をしてもらって、本来のピッチングを見せてほしいです。開幕時に一軍にいなくても、長いシーズンのどこかで力になってくれればいいわけですから。
滝田一希（広島・ドラフト３位）も面白いと思っていたのですが、制球があまりよくない。大学時代の球速を考えると、その部分はもう少し上がっていくんじゃないかと思うのですが、まずはコントロールをつけないと使いどころが難しくなります。
――ここまで挙げてきたなかで、高木さんが最も注目するルーキーは？
高木 やはり、一軍ですでに結果を出している度会でしょう。オープン戦から常時使ってもらって力が出しやすいでしょうし、「今年は自分がトップバッターでやらなければいけない」という責任感が生まれてきているように感じます。すごくモチベーションを高くキープできていますね。
DeNAは今中昇太と（トレバー・）バウアーが抜けて先発陣が苦しい。得点力を上げてピッチャー陣を援護していかなければいけないので、度会にかかる期待も必然的に大きくなるでしょうね。
（パ・リーグ編：衝撃デビューの西武左腕を絶賛「非の打ちどころがない」 他の注目ルーキーは？＞＞）
【プロフィール】
高木豊（たかぎ・ゆたか）
1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト３位で中央大学から横浜大洋ホエールズ（現･ 横浜DeNAベイスターズ）に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン３回、盗塁王１回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から２年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。
■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア
プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva（スポルティーバ）』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』（SBビジュアル新書）など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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