パ・リーグ6球団、キャンプの見どころ満載はこのチーム (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

埼玉西武ライオンズ(ガチ! マジ! LIONS2015)

 昨年、46年ぶりの高卒ルーキー3試合連続本塁打を放つなど、華々しいデビューを飾った森友哉。その類稀なバッティングセンスは誰もが認めるところだが、課題は守備。炭谷銀仁朗から正捕手を奪うには、リードの向上、投手とのコミュニケーションなど、マスターしなければならないことが山積み。このキャンプで真価が問われることになる。

 野手でいえば、昨シーズン、ともに34本塁打でホームラン王を分け合った中村剛也とメヒア。この長距離砲ふたりが並ぶフリーバッティングは一見の価値あり。豪快なアーチ合戦を見るだけでスカッとすること請け合い。

 もし西武のキャンプに足を運ぶことができるなら、キャンプ地・南郷までは宮崎市から車で1時間ちょっと。風光明媚な日南海岸を横目にしながらのドライブは最高である。こうした南国の絶景に出会えるのも、キャンプめぐりの醍醐味だろう。

東北楽天ゴールデンイーグルス(一致団結)

 一昨年の劇的な日本一から一転、昨年は最下位に沈んでしまった楽天。今季は大久保博元新監督のもと、巻き返しをはかる。

 なかでも注目は、2年目の松井裕樹だ。昨年は4勝8敗、防御率3.80と、決して納得のいく成績ではなかった。だが、シーズン後半はしっかり試合を作り、今季につながるピッチングを見せた。松井自身も次のように語っていた。

「来シーズン(2015年)が楽しみなんです。1年間、公式戦が続くというのははじめての経験でしたが、ほとんど一軍でやらせていただいて、シーズンを戦うということがどんなものかわかりました。その経験を来年に生かせればなと。今は疑問や不安がまったくありません」

 その口調は実に自然で、強がりや過信、慢心はみじんも感じられなかった。2年目の松井が勝ち星を増やすのは間違いないはずだ。高校2年の夏、甲子園を騒然とさせた"奪三振ショー"がついに
見られるかもしれない。

 そして今年、楽天にもうひとり甲子園のスターが加わった。済美高からドラフト1位で入団した安樂智大だ。大久保監督は「新人はまず二軍という考えがあるけど、松井裕樹も上(一軍)でいい経験をしたから」と、安樂の一軍スタートを決めた。松井に安樂、そして楽天のエースとなった則本昂大がしのぎを削るブルペンも楽しみだ。

 すぐにでもブレイクしそうな若手が目白押しのパ・リーグから目が離せない。

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