神宮枠で混迷。同一都府県から3校のセンバツ出場はなぜダメなのか? (6ページ目)
先に挙げた、88年の大阪や01年の茨城は、選考の対象となる地区大会で3校がベスト4入りした結果であり、地域的な偏りはあるが、秋の戦いを最重要視した"柔軟な選考"だったともいえる。
神宮大会が終わってからしばらくして、上宮太子の鶴田充功部長はこう語った。
「近畿大会が終わって、大阪からの3校は厳しいということはわかっていました。ただ、履正社が神宮大会で優勝したとき、『千載一遇のチャンスが巡ってこないか』と、わずかでも期待が膨らんだのはたしかです。どこの学校でもそうでしょうが、子どもたちの頑張りを毎日見ていると、『なんとか甲子園の土を踏ませてやりたい』とあきらめきれない思いがあるのは事実です」
近畿の7枠目について、マスコミ関係者の予想として高田商業を推す声もあるが、地域性のバランスを考え、東山(京都)や和歌山東を挙げる者もいる。
はたして、秋季大会の結果、地域性、他校との比較など、様々な要素を重ね合わせて行なう選考のなかに、"内規"という縛りをつける必要はあるのだろうか。"神宮枠"を特別枠とし、地域性などは考えず、一般選考で選出された高校の次に当たる1校に甲子園切符をプレゼントすれば、ここまでややこしい話にはならなかったはずである。
高校野球への注目度は年々高まり、様々な大人の事情が絡むこともわかるが、今は何事にも透明化を求める時代でもある。できる限りシンプルに、なによりグラウンドに立つ者たちが納得できる選考を求めたい。1月27日、選考委員はなにを語るのだろうか。
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