弟・良太が語る「偉大なる兄・新井貴浩の2000本安打の真実」 (4ページ目)

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • photo by Kyodo News

「球の心は正直者」っていう、兄貴が太田監督からもらった言葉があるんですけど、ボールの心は正直だから、ちゃらんぽらんにやってるヤツにはそっぽを向くよという意味です。イレギュラーしたり、打球が野手の正面を突くのは、そういうことだと。兄貴は絶対にちゃらんぽらんなことはしないですし、僕はそんな兄貴の姿をずっと見てきました。

 ただ、野球以外はちゃらんぽらんで、僕にはめちゃくちゃワガママですけどね(笑)。オフに一緒に広島にいたら、どこどこに迎えに来いとか、よく言われます。僕に対してだけは、時間にもルーズだし……。僕は大人だから、僕にしか気を許した言動をできないんだろうなと思って、受け止めてあげていますけどね(笑)。そこは兄弟逆転してます。

 それでも兄貴のことを尊敬できるのは、やっぱりプロの世界で実績を残してきたってことがあると思います。僕、自分がヤジられるより、兄貴がヤジられたほうがムカつきますからね。一度、キャンプで兄貴のことをずっとヤジってる人がいて、シートノック中にどやしたこともあります。「待っとけ、おまえー」って。練習が終わったら、いなくなっちゃいましたけど。兄貴には「よう言った。オレは選手会長で言えないから、お前がそういう役をしろ」って言われました(笑)。

 2000安打のプレゼントですか?  たぶんあげないんじゃないですかね。そこは恥ずかしさがあるというか……兄貴も望んでないでしょうし。甥っ子に何かあげますかね、間接的に。

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