かつての甲子園スター、阪神の北條史也は再び聖地で輝けるか?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 藤浪晋太郎、森友哉の超高校級バッテリーを擁して、大阪桐蔭高が甲子園春夏連覇を達成した2012年。その大阪桐蔭高と甲子園の決勝戦を戦ったのは、春夏連続で光星学院(現・八戸学院光星)高だった。光星学院高は前年の2011年夏も甲子園で準優勝しており、3季連続で甲子園準優勝。頂点に届かなかった悔しさはあるだろうが、これは史上初の快挙だった。

光星学院時代は強打の遊撃手として3大会連続の準優勝に貢献した北條史也光星学院時代は強打の遊撃手として3大会連続の準優勝に貢献した北條史也

 当時の光星学院高の大看板だったのは、3番・田村龍弘、4番・北條史也の強力な主軸コンビ。特に北條は3年夏の甲子園で4本塁打を放ち、甲子園通算29打点は清原和博(PL学園高)に並ぶ史上最多記録だった。

 あれから3年以上の時間が流れたが、藤浪はすでに阪神で入団以来3年連続2ケタ勝利とスター街道をひた走り、1学年下の森も西武打線に欠かせない主力打者へと成長。そして田村も昨季はロッテの正捕手となり、12球団トップの盗塁阻止率(.429)をマークしている。

 一方で、阪神に入団した北條の近況はなかなか伝わってこない。それも仕方のないことなのかもしれない。何しろこの3年間、北條のポジションであるショートには、鳥谷敬が君臨していたからだ。

 1609試合連続出場、575試合連続フルイニング出場。遊撃手としてはNPBの歴史上、類を見ないタフな仕事をしている鳥谷。その牙城を崩すのは容易ではない。だが、守備面においては鳥谷にも年々、衰えの波が押し寄せてきている。次世代の阪神を担う存在として、北條の台頭を望む声は小さくない。

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