OB藪恵壹がズバリ言う。「超変革」金本タイガースの期待と弱点 (3ページ目)
―― 昨年、チーム防御率3.47だった投手陣はいかがでしょうか。抑えで2勝41セーブ(3敗)をマークした呉昇桓が抜けたのは痛い。
藪 投手陣はかなり心配です。39歳の福原忍(6勝4敗1セーブ)、38歳の安藤優也(5勝4敗)が元気なのはいいことですが、いつまでもベテランに頼ってばかりでは……。先発陣も、能見篤史(11勝13敗)がもう36歳。岩田稔(8勝10敗)が32歳、メッセンジャー(9勝12敗)が34歳ですから。復帰した藤川球児も35歳になりました。残念ながら、世代交代は進んでいません。
―― ベテランは、ある程度計算はできても、今から大化けすることはありませんからね。若くて頼りになるのは、プロ4年目の21歳、藤浪晋太郎(14勝7敗)くらいです。
藪 投手陣には大手術が必要だと思います。私は、メッセンジャーを抑えに持っていくことを提案しています。リリーフの経験があるので、呉の穴をメッセンジャーで埋める。ローテーション投手は、藤浪以外は30代ばかりで、若手が入る隙間がない。ここに、ひとりかふたり、若い力が加わればいいのですが。たとえば、プロ7年目の秋山拓己は昨年一軍で3試合しか投げていませんが、実力は十分です。
―― 中継ぎも、福原、安藤がいれば安心とはいうものの、3年後、5年後のチームを考えると……。
藪 中継ぎもベテラン枠はひとつにして若手を抜擢しないと、先々苦しむことになります。6回、7回を投げる投手の重要性は高まっているのですが、ここで経験を積ませてほしい。
―― ファンが期待する藤川が復活できるかどうかも気になります。
藪 昨年、藤川はほとんど投げていないので、計算できません。先発で年間180イニング以上投げられるかどうか。「やってみないとわからない」というのが、本当のところではないでしょうか。そのあたりを監督がどう見極めるか。
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