メジャースカウト直撃。侍ジャパン「ほしい選手、いらない選手」 (3ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • photo by Getty Images

「今年、彼が残した数字は素晴らしいと思うし、リスペクトもしているよ。だけど私には彼がメジャーで活躍できるほどいい選手だとはまだ思えない」

 そしてこう続けた。

「柳田がこのチーム(侍ジャパン)にいたとすると、山田は、私の中では5番目くらいの実力の選手だ。しかも投手を除いてだよ。柳田、坂本、中田、筒香、そして山田。その次は松田だね」

 山田が今季、両リーグ最多の38本塁打を放ったことについても、「狭い神宮球場だからね」とにべもない。メジャーでも、たとえば今季ワールドシリーズ王者となったカンザスシティ・ロイヤルズのように本塁打を量産する選手のいないチームもあるが、やはりクリーンアップ以外の選手でもある程度の長打力が期待されるだろうし、体力的にも今のままでは厳しいという判断なのだろう。

 スカウトA氏は「山田の二塁の守備を見ていると、とても危なっかしい。ゴロのバウンドにうまく対応できていない」と、守備面での不安も指摘した。

ところで、日本の多くの打者が足を高く上げる傾向にあるが、この件については話を聞いたどのスカウトも一様に「懸念している」と口にする。

 スカウトB氏は言う。

「足を上げるにしても打撃の始動時に小さく行なう程度ならば問題はないが、足上げのタイミングが遅いとスライドステップ(クイックモーション)に対応できなくなり、バランスを崩される。大きく足を上げれば上げるほど、スライドステップなど変化を加えられた時に対応できなくなる可能性が高くなると思うね」

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