トライアウト2015。48人の中から「契約」を勝ちとるのは誰だ?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 11月10日に静岡・草薙球場で12球団合同トライアウトが開かれる。例年2回に分けて行なわれていたが、今年は1回きり。各球団から戦力外通告を受けた選手や、再びNPB返り咲きを狙う元プロ選手がシートバッティング形式で自身の選手生命をかけて戦う。

阪神時代の2007年にセ・リーグ新人王に輝いた上園啓史阪神時代の2007年にセ・リーグ新人王に輝いた上園啓史

 エントリーした投手34人、野手14人の顔ぶれを見ると、過去に確固たる実績を残した「ビッグネーム」と呼べる選手は見当たらない。今季限りで退団することが決定している松中信彦(41歳/前ソフトバンク)、岡島秀樹(39歳/前DeNA)、多村仁志(38歳/前DeNA)、井川慶(36歳/前オリックス)、久保裕也(35歳/前巨人)、栗原健太(33歳/前広島)、鉄平(32歳/前オリックス)、坂口智隆(31歳/前オリックス)といった面々は、現役続行を希望しつつもトライアウト参加を見送っている。

 それでも、トライアウト受験者のなかで目を引くのは、リリーフタイプの左腕が多いことだ。左のリリーフが充実しているチームは少ないため、「掘り出し物」を求めて草薙にやってくる編成担当者もいるに違いない。

 リリーフ型左腕の代表格は加藤康介(37歳/前阪神)。ロッテ、オリックス、横浜、阪神と4球団を渡り歩いたベテランで、2013年にはセットアッパーとして61試合に登板し、16ホールド、防御率1.97と好成績を残している。今季は股関節を痛めてわずか6試合の登板に終わっているが、生まれ故郷の静岡で実力を発揮したい。

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