ドラフト直前、今年の「隠し玉」はこの4人だ!

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

ドラフト展望2015(5)

 いよいよドラフトが目前に迫ってきた。すでに1位指名候補については多くの情報が飛び交っているが、今年はひとりの選手に5~6球団が指名するような"目玉"は見当たらず、2~3球団から指名重複される選手が3人、もしくは4人いるぐらいだろう。

50メートル5秒台の快足を生かし、攻守に存在感を見せる日本大の山崎晃大朗50メートル5秒台の快足を生かし、攻守に存在感を見せる日本大の山崎晃大朗

 こういう目玉不在の年ほど、ドラフトの成否は3位以下の隠れた逸材たちをどれだけ獲得できるのか、各球団スカウトたちの"千里眼"にかかっている。今回は、その実力、潜在能力の高さのわりに、まだほとんど話題に上っていない4人の「隠れた逸材」を紹介したい。

 ドラフトは左腕の値段が高い――ここ10年来、ずっとその傾向は続いている。

「Bクラスの右投手なら、Cクラスでもいいからサウスポーが欲しい」

 スカウトからこんな声を何度も聞いたが、それは現場からの要求があるからなのだろうか。

 では、今年のドラフトはどうか?

 1位指名候補に上原健太(明治大)、今永昇太(駒沢大)、小笠原慎之介(東海大相模)の左腕3投手の名前が挙がるが、彼らに続く有力サウスポーの情報が入ってこない。

 なぜ、これほどまでに左腕の価値が高いのか? 今の野球界は、プロ・アマを問わず、左打者が飽和状態だ。イチロー(マーリンズ)の影響とも言われているが、一塁に近い有利さもあり、「少年野球の指導者が意図的に左打者を量産したから」と語る人もいる。

 50メートル5秒台の足を持つ快足選手ですら、"左打ち"を理由に社会人チームから断られたという気の毒な話も聞いた。当然、「サウスポーで左封じだ!」という風潮が、最近のドラフトにあるのもうなずける。

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