解説者7人に聞く「大混戦のセ・リーグを抜け出すのはどこだ?」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 各チームとも残り30試合を切ったが、セ・リーグの優勝争いはいまだ混沌としている。阪神、ヤクルト、巨人の上位3チームが僅差でせめぎ合い、4位の広島も阪神との直接対決を7試合残しているため、チャンスは十分にある。史上稀にみる大混戦となったセ・リーグのペナントレースはどんな決着となるのだろうか。解説者7人に聞いてみた。

阪神打線のカギを握る、昨年打点王のゴメス阪神打線のカギを握る、昨年打点王のゴメス

野村弘樹(元横浜)

「いま一番いい野球をしているのはヤクルトです。打線は川端慎吾、山田哲人、畠山和洋の3人を筆頭にどこからでも得点できるし、投手陣もリリーフ陣の安定感はリーグトップだと思います。とにかく先発陣が6回までを2~3点に抑えてくれれば、かなりの確率で勝利できます。ただ、残り試合、今までのような野球ができるのか不安があります。相手もエース級のピッチャーをぶつけてくるだろうし、そうなるといくら強力打線といえども簡単に得点できません。そうした展開になった時に、はたして投手陣が辛抱できるのかどうか......。優勝経験者もほとんどいないですし、これからが本当の正念場でしょうね。逆に、不気味な存在なのが広島です。前田健太、ジョンソンという二枚看板がいて、今年は福井優也も調子がいい。なにより、阪神との直接対決を多く残している。不安があるとすれば、リリーフ陣と9月終盤の12連戦。ただ、ここで勝ち越すことができればチームも乗ってくるでしょうし、ファンの後押しもある。現状は厳しいですが、可能性は十分あると思います」

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