記録を抜かれた与田剛が語る「DeNAの守護神・山﨑康晃の凄さ」
DeNAの山﨑康晃が8月20日のヤクルト戦で今季32セーブ目を挙げ、1990年に与田剛氏(当時・中日)がつくった新人のプロ野球最多記録を25年ぶりに更新した。はたして、山﨑の凄さとは何なのか? かつての記録保持者・与田氏に聞いた。
25年ぶりに新人最多セーブ記録を塗り替えたDeNAの山﨑康晃
亜細亜大の後輩でもある山﨑が私の記録を抜いてくれて、すごく嬉しい気持ちでいます。最初、山﨑がDeNAのクローザーになると聞いた時は、「大丈夫かな」というのが素直な感想でした。ルーキーで、しかもクローザー未経験。まず心配したのが体力面での不安でした。
私も1年目からクローザーとして投げさせてもらったのですが、かけ引きやペース配分といったことは何もわからず、ただ「投げろ!」と言われたらマウンドに上がるだけでした。どれだけ投げたら体が疲れるとか、どれだけ休めば回復するとか、そんなことも知らない。それに、当時は中日に限らずイニングまたぎは当たり前の時代。知らず知らずのうちに、体は悲鳴を上げていました。
ただ、今の山﨑を見ていると、体が疲れているどころか、前半戦よりも球のキレはいいですし、安定感も増しているように思います。32セーブ目を挙げたヤクルト戦のピッチングを見ていても、リードはわずか1点なのに、じつに堂々と投げていました。私よりもはるか上の次元をいっています。
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