好調ベイスターズ。改革のキーワードは「走」

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 横浜DeNAベイスターズが例年になく好調なスタートを切った。ここまで9勝8敗(以下データは4月16日現在)と、セ・リーグ3位につけている。まだ序盤とはいえ、昨シーズンの3・4月の成績が7勝18敗だったことを考えれば、上々の滑り出しを見せたと言えるだろう。

昨年、セ・リーグ盗塁王に輝いた梶谷隆幸。今年も積極的な走塁が光る昨年、セ・リーグ盗塁王に輝いた梶谷隆幸。今年も積極的な走塁が光る

 今シーズンここまでの好調の理由は、先発陣の充実や中継ぎ陣の踏ん張りなどが挙げられているが、それ以上に印象的なのは、日本一を達成した1998年の"マシンガン打線"を彷彿(ほうふつ)とさせる強力打線である。ベイスターズOBで解説者の野口寿浩氏()は次のように語る。
※強打の捕手として習志野高から89年にヤクルトにドラフト外で入団し、その後、日本ハム、阪神、横浜でプレイした

「今シーズンのベイスターズは、梶谷隆幸、筒香嘉智、ロペスのクリーンアップが充実している。この3人がどっしり構えているから、まわりの選手たちも『彼らに回そう』と目的意識がはっきりしている。だから、打席で迷いがないですよね」

 チーム打率.265はリーグ2位。ホームランはリーグトップの14本(2位の巨人と阪神の8本)を放っている。打撃10傑を見ても、2位にバルディリス(.380)、6位に石川雄洋(.328)、7位にロペス(.324)と3人がランクイン。さらに、梶谷隆幸(.306)、筒香嘉智(.302)も3割をマークしている。

 また打点部門では、ロペス(13点)、バルディリス(13点)がトップタイで並び、筒香も11打点をマーク。この数字を見れば、今年のベイスターズ打線の破壊力の凄さは一目瞭然だ。

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