二刀流・大谷翔平、2年目はここが違う

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 プロ2年目、二刀流・大谷翔平(日本ハム)が大きく成長を遂げている。投手として、今年は開幕からローテーションを任され、5月13日の西武戦ではプロ初完封をマーク。5月28日のヤクルト戦でも先発し、7回を被安打7、奪三振7、失点2。5勝目こそ逃したが、先発投手としての役割を十分に果たした。一方、打者としても開幕から順調にヒットを積み重ね、一時は3割台後半をキープするなど、チームの中軸として活躍。現在はやや調子を落としているが、打率.293は立派な数字と言える。そこで解説者7人に2年目の大谷翔平についての評価を聞いてみた。

5月28日現在、投手として4勝1敗、防御率3.26、打者として打率.293、1本塁打、13打点の大谷翔平。5月28日現在、投手として4勝1敗、防御率3.26、打者として打率.293、1本塁打、13打点の大谷翔平。

◎金村義明(元近鉄、中日、西武)

 今年のキャンプで大谷を見て、まず驚かされたのが体の大きさです。胸板の厚み、どっしりした下半身と、昨年とは別人に思えるぐらいたくましくなっていました。体が大きくなった分、打球に力強さが加わり、飛距離が出るようになりました。特筆すべきは、逆方向(レフト方向)に大きい打球が打てるようになったことです。昨年から、三遊間を抜いたり、レフト前に落としたりする巧さはあったのですが、今年はパワーがついた分、練習でも外野の頭を越えたり、オーバーフェンスする打球が多くなりました。4月23日に東京ドームで行なわれたソフトバンク戦では、左中間に特大の一発を放ちましたが、日本人の左打者であそこまで飛ばせるバッターは数えるほどしかいません。正直、高卒2年目の選手が打てる打球ではありません。打者としてワンランク上のステージに行ったことは間違いありません。

◎田口壮(元オリックス、カージナルスほか)

 バッティングに関しては、センスの塊(かたまり)です。インコースはヒジをたたんで腰の回転で打てるし、アウトコースも強引に引っ張ることなく逆方向に打てる。これは練習してもなかなかできることではなく、なおかつキャンプ中はほとんどバッティング練習をしていないと聞いて、さらに驚きました。それでもしっかり結果を残すのですから、本当にすごいですよね。そうしたセンスの良さはもちろんですが、彼は積極性も素晴らしいと思います。ファーストストライクからしっかり打ちにいけるというのは、簡単なようで実は難しいんです。それができるというのは、心も体もしっかり準備できている証拠。彼のバッティングを見ていると、どこに投げても打ってきそうな雰囲気があります。それだけでも十分、相手投手にプレッシャーを与えていると思います。

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