解説者7人が順位予想。巨人、ソフトバンクの独走を止めるのは? (4ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

◎薮田安彦(元ロッテ)

セ・リーグ
1位:巨人
2位:広島
3位:中日
4位:阪神
5位:DeNA
6位:ヤクルト

パ・リーグ
1位:ソフトバンク
2位:ロッテ
3位:楽天
4位:西武
5位:オリックス
6位:日本ハム

「巨人は戦力が整いすぎですね。投手陣は、余っているくらいの充実度。打線を固定できることを考えても、実力的に抜けています。以下の5チームはダンゴ状態ですが、丸佳浩、菊池涼介など若手野手の充実している広島は2位か3位に入ってくるでしょう。3位と4位の予想に悩みましたが、投手力で中日を上の順位にしました。パ・リーグは6球団の実力が均衡していますが、大型補強を敢行したソフトバンクが優勝候補。楽天は打線が素晴らしいので、田中将大の抜けた穴を若手投手が埋められるかがカギになると思います。西武、日本ハムは補強に積極的でなかったので、Bクラスに予想しました」

◎与田剛(第2回、3回WBC投手コーチ)

セ・リーグ
1位:巨人
2位:広島
3位:阪神
4位:中日
5位:DeNA
6位:ヤクルト

パ・リーグ
1位:ロッテ
2位:ソフトバンク
3位:西武
4位:楽天
5位:オリックス
6位:日本ハム

「巨人が抜けているというより、他のチームにプラス要素がほとんどありません。なので、この順位にしました。広島は投手を中心とした守備力の高さと、機動力を使った戦いができるということで2位にしました。ヤクルトはケガ人の多さが心配です。バレンティンを中心に攻撃力はありますが、投手力が他のチームに比べてちょっと落ちるかなと思います。ただ、3~5位は本当に混戦になると思います。能見篤史、メッセンジャー、藤浪晋太郎の三本柱のいる阪神を3位にしましたが、投打のバランスが良くなっているDeNAにも十分チャンスはあると思います。パ・リーグは、選手層の厚いソフトバンクが本命になると思うのですが、私はロッテに注目しています。FAで入団した涌井秀章、ルーキーの石川歩は長いイニングを任せられる投手です。このふたりが入ったことで、リリーフへの負担は間違いなく減ると思います。ロッテとしてみれば、シーズン終盤まで首位争いをして、最後にスパートをかけたい。そのためにも、シーズン中盤まではリリーフに負担をかけたくない。今年はこうした戦いができるのではないかと期待して、1位にしました。楽天は2年目の則本昂大に注目しています。田中将大が抜けた穴はもちろん大きいのですが、則本がエース級の活躍をしてくれたら、十分に上位争いができると思います。日本ハムは未知数な部分が多いということで6位にしましたが、化ける可能性がいちばんあるチーム。もし大谷翔平が10勝すれば、一気に優勝争いに加わるかもしれません。パ・リーグはセ・リーグと違い、どのチームが優勝してもおかしくありません。それぐらい力は拮抗しています」

 セ・リーグは巨人、パ・リーグはソフトバンクを1位に挙げた解説者がほとんどだったが、筋書き通りにいかないのが野球の醍醐味である。解説者の予想を大きく裏切るチームはあるのか。各チームの戦いぶりに注目したい。

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