【プロ野球】2014年に懸ける崖っぷちの男たち (3ページ目)
そして、日本ハムの斎藤佑樹(25歳)も故障からの復活を期すひとりだ。昨年は故障の影響もあってキャンプは二軍スタートだったが、右肩関節唇損傷からの完全復活を期す今季は、2年ぶりに沖縄・名護での一軍キャンプに参加した。
「今年は勝負の年。初日から戦闘態勢に入っている」(斎藤)。
例年、自主トレ期間中はストレートだけを磨き、キャンプインしてから変化球の精度を向上させていたが、今年は2月8日に紅白戦での登板が決まっているため、そこから逆算して早めに仕上げることになった。たとえ、紅白戦、オープン戦であっても、すべて抑えにかかる意気込みで臨んでいる。そこには、打たれても内容が良ければいいなどと悠長なことは、もう言っていられないという決意がある。手術を回避し、投球フォームの修正などによって故障と向き合ってきた斎藤。彼にとって、この春季キャンプは再び陽のあたる場所に立つための戦いである。
ここで取り上げた選手たちにとって、かつてキャンプは調整の場であった。すべては開幕に照準を合わせ、体作りに励んでいた。しかし今、彼らがやるべきことは調整ではなく競争なのだ。この戦いに勝たない限り、一軍でプレイすることは許されない。間もなく第2クールに突入するが、彼らの目は日に日に鋭さを増している。
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